メルヘンちゃんと呼ばれて






メルヘンちゃんと言われました。






メンヘラチャンじゃないよ。












今日は三鷹の森ジブリ美術館に行ってきました。

私は2回目です。
前行ったのは2,3年前だったかな?
私以外の3人は初めてだったようでした。


前回来た時は、映画が「くじらとり」でした。

めいとこねこバス」が見たかったんだけど、いやいやえんも大好きだし、とくにくじらとりは好きな話だったので大満足、こねこバスは見られなかったけど、変なやつじゃなくて良かったね、なんて会話を母としたのを覚えています。

(余談だけど「くじらとり」を読むと、「モモ」の空想遊びみたいな章を思い出します。)


今回は「星をかった日」を上映していました。
またしてもこねこバスが見られずガッカリ…
しかも、星をかった日って映画の中でも特に暗そうやんハズレ引いたわ…
と思ってたんです!が!

これが!たいへん!よかった!!

映像はキラキラ系ですごく綺麗だし、世界観も素敵、なんなら声優も豪華だった。
星をかった日、とてもオススメだよ!!



映像が終わり、"土星座"を出た友達の第一声が

「なんかよくわかんなかったわ!」


うーん、
マーニーを一緒に見た時の感想の感じから、きっとこいつこういう感想言うだろうなぁとは思ってたけど、本当に期待を裏切らない男だ。



常設展示は前来た時とさほど変わりなく。
そりゃね。そうよね。常設だものね。笑

ちょこちょこ扉を開けて覗いたり、仕掛けを眺めたり、フィルムを凝視したり。
カラーチャートとかセル画の色指定とか見るのやっぱり好きだなぁとか、絵が上手いなぁなんて当たり前のことを思ったりとかしながら、隣で「なにこれどういう意味?笑」って言ってる野郎に解説をしてあげたりして。


その時にふと思いました。


あー、これは、あれだ。
私やっぱりしばらく彼氏できないぞ、と。



大好きな大好きな大好き友達でも、ふとした時に漏らす感想とかを「こいつ何言ってんのかな何もわかってねーな」って思ってしまう。

感想なんてものは、こうなんだよ、って正すのも違うかなと思うし、間違った事実を言っていたとしても、いやこれはこうだよって教えてあげることができない。
教えるより先に何トンチンカンなこと言ってんの?って思ってしまう。



そして
あーあ、あの人とここ来たらもっと楽しめそうだなぁ
と思ってしまう。



たぶん今日一緒に行った彼は、かなり「わかんないやつ」寄りな人だと思う。
でも、なんか周りがそういうの多過ぎて、そういう反応が普通なのかなぁと思っちゃうよ。


そんな奴なのはわかっていたけど、なんだかがっくりしちゃって思わず聞いたよね。
「なんで映画好きなの、そんなんで見てて楽しいの?笑」って。
かなり底意地の悪いこと言った自覚はあるけど、それでも笑って「ね、俺も自分で思う(笑)でも楽しいよ(笑)」って言ってくれる彼は優しいのか鈍いのか…?笑


どうなのかな、普通なのかな。
それとも私の周りに鈍い男、馬鹿な男が多いのかなぁ。
…まぁそれは否定できないなぁ。笑
奴らは馬鹿だからなぁ。笑



なんて、まぁその時はここまでは考えなかったけど、彼氏できない予感なんかを感じつつも楽しく展示を見ておりました。


最後に特別展を。
今回は「くるみ割り」の展示をしていました。
ちょっと前になんか展覧会やってたよね。

くるみ割りの原作の話、原作を改変した童話の話、モチーフ、絵、なんかがいっぱい展示してあったんだけど、ツレの皆様やたら見るのが早いのね。
まぁ気にせずじっくり見てたんだけど。

そしたら、背後から


「あいつメルヘンちゃんだからな(笑)」


って声が聞こえて来ました。

振り返ったら、机で休憩している3人が、こっちを見ながらニヤニヤ話していました。


そうかー、私メルヘンちゃんかー。

まぁ自覚はある。
メルヘンちゃんだと思う。
ああいうの大好きよ。


ただね。


ここジブリ美術館なんだけど!?
日本でも有数のメルヘンな施設なんだけど!!?
むしろここ来てメルヘン感じないってどゆこと!!!?



常設展も見るの早いしさ、ギミックとかも教えなかったら気づかなかったの多かったよね、と思うの。
でもそれ全部説明書きしてあったじゃない!?
特別展も、説明とか解説とかあんなにいっぱいあったのに、全然読んでない。
ハンドルがちゃがちゃ回してギミック動かして騒いで、それだけしかしてないよね?

そんな人達に、展示をじっくりと見ていたら、メルヘンちゃんと言われました。

心底がっくりした。

メルヘンちゃんて言われても構わない。
ていうかむしろ君らに何言われてもなんでもいいやと思った。
こういうことを楽しめないくらいなら私はメルヘンちゃんな方が何倍も良い。



彼らは彼らなりに色々受け取ったんだと思うし、感想なんて人それぞれで良いんだとは思う。


けど、私はきっと周りの人を一段見下している。


こいつ何言ってんのかな。
表面的なことしかわかってねーな。
情緒がねーな。

そんなことを考える。
自分のことを棚に上げて。

自分はわかってると思ってるのかな…
自分は情緒があると思ってるのかな…

そんなことは無いって知ってるけど、心ではきっと「その辺のやつよりわかってるし情緒あるわ」って絶対思ってる。


それの対価として私はメルヘンちゃんと言われるのだろうな。
メルヘンちゃんって言われるのは本当に心底むかつくけど、メルヘン評価がそんなに簡単に降りてしまう世界にいる自分を呪うしかないレベルのがっくりでした。